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2012年6月16日土曜日

巻第七:平家を滅ぼしたのは木曾義仲

この物語によれば、都落ちした平家の数は、およそ7,000人であったという。

平家が木曾義仲を打つべく。北陸に出発した軍勢はおよそ10万人。しかし、倶利伽羅峠の戦いで、木曾義仲の計略によって、平家の軍勢は、7万人が倶利伽羅峠に転落して死亡したという。

にわかには、信じがたい数字だが、この物語の中だけで解釈すれば、平家を実質的に滅亡に追い込んだのは、源頼朝でも義経でもなく、あきらかに、木曾義仲ということになるだろう。

巻第七:歌人としての平忠度

清盛の父である平忠盛の六男、平忠度。清盛とは異母兄弟であった。和歌に優れ、藤原定家の父である、藤原俊成に師事していた。

都落ちに当たり、その藤原俊成のもとを訪れ、自らの歌集を託した。

源平合戦の後、中断されていた勅撰和歌集、千載集の編纂が再会され、選者の藤原俊成は、読み人知らずの歌として、平忠度の次の和歌を載せた。

さざなみや志賀の都はあれにしをむかしながらの山ざくらかな

何のことはない、シンプルな歌のようだが、次第に、いろいろなことが、心に浮かんくる、不思議な歌だ。

巻第七:好人物に描かれる平維盛

平維盛は、この物語の中では、”いい物”として描かれている平重盛の嫡男。平維盛も、やはり好人物として描かれている。

平維盛は、妻子を残して都を立とうとするが、幼い子供が自分たちも行くといってせがむ、そのせいで、なかなか出発できない。ここでは、”いい父親役”になっている。

また、木曾義仲との戦で命を落とした、斉藤別当実守の子供たちに、都落ちせずに、都に留まることを許している。ここでは、”いい上司役”になっている。

平維盛の妻は、鹿ケ谷の陰謀に罪により、平清盛によって島流しにされ、命を落としてしまった藤原成親の娘であった。

平維盛は、この物語の中では、平家といえども、悪役の平清盛に対抗する、いい物のグループに属する人物なのだ。

巻第七:斉藤別当実守の死

木曾義仲を迎え撃った平家の陣営に、武蔵国の出身であった斉藤別当実守がいた。

斉藤は、平家が源頼朝の軍勢と初めて退治した富士川の合戦にも参加した武士で、この時、すでに70才近かった。

すでに髪の毛は真っ白。そこで、出陣にあたって、髪を黒く染め、敵からは壮年であるように見せかけての出陣。しかし、年には勝てず、木曾義仲の軍勢の若い武者に打ち取られてしまう。

たとえ、年老いても、一度戦となれば、自らの家や名誉のために、命を懸けなければならない。髪の毛を染めてまで、戦場に立たねばならなかった斉藤別当実守という存在は、強烈な印象を私の心に残した。

巻第七:平家の滅亡の始まり

この物語では、平清盛の死が、平家の滅亡の始まりであったかのように描かれている。

木曾義仲が北陸で挙兵し、倶利伽羅峠で迎え撃つ平家を撃退し、京都に迫る。それを受けて、平家はついに都落ちを決意する。

そして、本格的な戦争が始まると、死と別れを巡り、これまで以上に、劇的な物語が展開していく。

この巻第七より、平家物語が、ますます面白くなっていく。