巻第三の最大のハイライトは、重盛の死だ。
清盛の子ながら、妻が、後白河法皇の側近の藤原成親の妹であっため、平家一門の中では、後白河法皇に近い存在だった。
そのせいか、平家物語の中では、重盛はいわば”いい役”。後白河法皇と対立する清盛を何度も諫めるシーンが描かれている。
物語の中では、重盛は、平家の悪行を浄めるために、自らの命を捧げたように描かれている。平家物語自体が、天皇による支配を擁護する人々によって書かれているために、自然と、重盛はいい役になる。
しかし、普通にこの物語を読んでいると、あきらかに重盛は、平家の一族の中では浮いた存在。実際の重盛は、清盛が、沢山いる自分の子供の中から、法皇に近い人脈に近づけた、子供の一人にすぎなかったのかもしれない。
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