2012年5月2日水曜日

巻第四:源頼政の辞世の句

以仁王に挙兵を促しながら、多勢に無勢、あっさりと平家の軍門に下った源頼政。宇治の平等院に追い込まれ、自ら切腹して果てた。

その辞世の句といわれる歌が、平家物語の中で紹介されている。

埋木のはなさく事もなかりしに身のなるはてぞかなしかりける

源氏でありながら、平治の乱においては、平家方につき、平家の支配する世の中で、肩身の狭い想いを味わい、和歌の上手さだけで出家したという、そうした自らの境遇を歌っている。

平家物語の中でも、とりわけ印象に残る和歌の一つだ。

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