巻第九で、いよいよ、源氏と平家の最終的な戦いが始まり、一の谷の戦いで、平氏は敗れ、多くの名だたる武将を失った。
この巻第十では、その後日談ともいえるエピソードが紹介され、壇ノ浦に続く戦いの、つかの間の休息、というべき内容になっている。
その中心は、囚われのみになった、東大寺の焼き討ちの実行者の重衡と、平家の唯一の良心とされた、重盛の子、維盛に関わるエピソードだ。
歴史の大筋に関わる大事件を扱いながら、その事件に関わった人物の、個人的なエピソードを紹介することで、歴史的な事件を、身近なこととして読者に思わせるのが、この平家物語の大きな特徴になっている。
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