2012年9月11日火曜日

巻第十一:大勝の器ではなかった宗盛

いさぎよく、海に身を投げた清盛の四男、知盛に比べると、清盛の三男で、清盛の死後、平家の大勝であった宗盛は、周りの物が次々と海に消えて行くのをただ眺めているだけ。

さすがに見かねた配下の武士が、海に引きずり込もうとしたが、源氏の軍勢に捕まってしまう。

他の捕虜とともに、都に送られる途中、明石の地で、優雅に和歌などを詠んでいる。

我身こそあかしの浦にたびねせめ おなじ浪にもやどる月かな

母の時子、弟の知盛、妹の子の安徳天皇、その他のおびただしい数の一族の死を目の当りに下にも関わらず、自らの境遇を嘆く宗盛。

どうみても、彼は、大勝の器ではなかった。

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